時計選びにおいて「複雑さ」と「美しさ」の両立は、永遠のテーマです。特に、複数のカレンダーと月の満ち欠けを同時に表示する「トリプルカレンダー・ムーンフェイズ」は、通常であれば目が飛び出るような価格設定になりがちです。
しかし、エポスはこの難題に対し、圧倒的なコストパフォーマンスと独自のアートセンスで答えを出しました。
1. 既成概念を崩す、アシンメトリーの配置美
この「3391ABL」を初めて見たとき、多くの人がその独特なレイアウトに目を奪われるはずです。
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11時位置の月: 一見、日付表示かと思いきや、実はここに「ムーンフェイズ」が鎮座しています。
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散りばめられたカレンダー: 4時位置に「曜日」、8時位置に「月」。そして文字盤外周を這うように進む「ポインターデイト」。
一般的な時計が「12時・6時」といった垂直軸に機能を並べるのに対し、エポスはあえてこれらを散らしました。まるで夜空にランダムに浮かぶ星々のように。この「計算された崩し」こそ、技術屋の遊び心を感じさせるポイントです。
2. 盤上に刻まれた、スイス三名峰の標高
モデル名「ユングフラウ」が示す通り、文字盤の下部にはスイス・アルプスを象徴する山脈が描かれています。
「この山、どこかの適当な山じゃないの?」
いえ、これには明確なモデルがあります。スイスが誇る三連峰、ユングフラウ(4,158m)、アイガー(3,970m)、メンヒ(4,107m)です。
かつてバラエティ番組の登山企画で注目を集めたアイガーを含む、これら名峰の上に広がる満天の星空。時計を眺めるたびに、標高4,000m級の冷徹で澄んだ空気が手首に伝わってくるような、情景豊かなデザインです。
3. 「ナイトスカイ」との贅沢な比較
エポスの名作といえば、文字盤全面に星が輝く「ナイトスカイ」が有名ですが、この「ユングフラウ」はその系譜を継ぐ第2弾とも呼べる存在です。
全面が星空のナイトスカイに対し、ユングフラウは「山脈と空」という遠近感のある構図。
どちらが上かという議論は無粋でしょう。できることなら両方を手に入れ、その日の気分でスイスの夜空を使い分ける……そんな贅沢な使い方が、この時計のロマンにはふさわしいのかもしれません。
4. 価格という名のサプライズ
自動巻きで、これだけの複雑機能を盛り込み、さらに細部まで作り込まれた芸術的な文字盤。
「倍の価格でもおかしくない」と感じさせる内容ですが、その実力は驚くべきバリューに裏打ちされています。
参考楽天市場価格:約120,186円(+税)
※記事紹介時(2020年)の市場価格に基づきます。。
この価格帯で、サファイアクリスタルやバックスケルトン、そしてエポス独自のモディファイが施されたムーブメントを堪能できるのは、独立系ブランドならではの強みと言えます。
製品スペック詳細
| 項目 | 内容 |
| 型番 | 3391ABL |
| ムーブメント | 自動巻き(ETA 2892ベース・エポス改良) |
| 機能 | トリプルカレンダー、ポインターデイト、ムーンフェイズ |
| ケース素材 | ステンレススチール |
| 風防 | サファイアクリスタル |
| ケース径 | 41mm |
| その他 | シースルーバック(裏スケ) |
結論:手首に宿す、スイスの夜想曲
エポス「ユングフラウ 3391ABL」は、多機能でありながら決して煩雑ではなく、むしろ一つの風景画のような静寂を纏っています。
投資効率や資産価値といった冷徹な指標も大切ですが、時にはこうした「物語」を身に着ける喜びも、時計趣味の醍醐味です。街を歩きながら、ふとした瞬間に手首の「アルプス」を眺める。そんなゆとりある時間を、この一本と共に過ごしてみてはいかがでしょうか。
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